福元章子日本画展-毛虫と女-
Shoko Fukumoto exhibition
2014年11月4日~29日(正午~午後7時、最終日午後5時まで、日・月曜休)

華やかさと静けさ、そして近寄りがたさ。若手日本画家、福元章子が描く女性たちは儀式を執り行っているかのような厳かな雰囲気をたたえています。清純な乙女や官能的な大人の女性といった典型的な女性像ではなく、気高さと優しさを感じさせながらも一目ではうかがい知れないミステリアスな存在。見る人の想像力を刺激し瞑想的な浄化へと誘う、そうした女性たちを独自の抒情とともに表現しています。

具象的なモチーフの組み合わせに繊細な色彩を与えて情景をつくり出す――。それ自体はオーソドックスな手法ですが、福元の日本画の中で異形ともいえるのはやはり主役の女性たちです。服装も身体もなく日常の現実から引きはがされていて、住んでいる地域や年齢もわかりません。それでいて身にまとう雰囲気が見る人の気持ちを揺さぶり、慰めを与えてくれます。

画家が理想の女性を描こうとすると、あらかじめ社会の側に「理想の女性像」が用意されています。理想の女性を追い求めれば追い求めるほど、作品の方向性が似通ってくるのはこのためです。しかし福元はいったん社会から離れ、自ら考える理想の女性(女性美ではなく)を表わしました。実体がないとさえ思わせる彼女たちは、現実を超え出ているからこそ存在感を放ちます。

もう一つの異形のモチーフは、細い毛が輝く毛虫たち。「醒めない夢を」(2014年、116.7×90.9センチ、岩絵の具、膠、カンバス)では、安らかに眠る人物の首に巨大な毛虫がマフラーのように巻かれています。金銀の装飾品に代わる毛虫が柔らかな色彩とあいまって、神秘的な優しさを醸し出します。新作十数点を出品予定。写真は「原始の星」(2014年、130.3×162.1センチ)制作中の福元章子(撮影・山田哲也)。

*展覧会期間中、福元章子トークイベントを開きます。

福元章子(ふくもと・しょうこ) 1984年大阪生まれ、2008年京都市立芸術大美術学部卒、10年京都市立芸術大大学院美術研究科絵画専攻日本画修了。
<主な個展>
2011年 「月夜の散歩」(和泉市久保惣記念美術館)
2012年 T-BOX(東京)
2013年 「春の日」DELLA-PACE(神戸市)
      「麗しき逃避行」T-BOX
2014年 「春待ち」DELLA-PACE