キム・チャンギョム展
Changkyum Kim exhibition
2015年5月12日~30日(正午~午後7時、最終日午後5時まで、日・月曜休)

映像を用いたインスタレーションを中心に制作し、国際的に活躍する韓国のアーティスト、キム・チャンギョムの個展です。今回は「still life」シリーズ(画像は2007年版の部分)の新作など映像作品2、3点と写真数点を出品予定。映像作品では現実と虚構の境界を崩し、存在することの不思議さを幻想的に問いかけます。 

代表作の一つ、2007年の「still life」では、棚に並べた瓶(実物)に、妖精とおぼしき女の子が出たり入ったりする映像を投映し、イリュージョンを浮かび上がらせました。「妖精」は瓶の中で手を振ったり腰に手を当ててポーズをとったり。バレエ「ジゼル」で精霊の女が生身の男と交信するように、「映像の私(女性)」の存在感を詩的に描きました。 

今回出品する新作の「still life」でも、女の子が歩いたり立ち止まったりする映像を実物の瓶に投映しますが、瓶に映る模様の変化によって、より華やかな世界を繰り広げます。同じく代表作である「water shadow」シリーズの新作でも、実物の大きな皿に本物と見まごう水の映像を投映し、(映像の)金魚を泳がせるなどして鑑賞者を引き込みます。 

人には、現実であれ映像であれ見えたものの存在を信じる心の働きがあるらしく、たとえば現実の街並みを見た後に映像で街並みを見ると記憶が上書きされることがあります。映像のイメージがあふれる現代において、人はどこまでが現実なのか、どこからが映像なのか区別できていないのではないか。そもそも人の認識の上で存在するかしないかという話をすれば、現実と映像のイメージを区別することができるのか。キムの映像作品には、そうした問題意識がひそんでいます。

キム・チャンギョム
1961年 韓国ヨジュ生まれ
1987年 セジョン大絵画科卒
1994年 イタリア・カラーラ美術アカデミー留学
1995年 ドイツ・デュッセルドルフ美術アカデミー留学 

<近年の主な展覧会>
2004年 「アウト・ザ・ウィンドウ」(国際交流基金フォーラム/東京)
2005年 「韓国ビデオアート-ナムジュン・パイクを超えて」(アートケルン/ケルン)
2008年 「キム・チャンギョム展 シャドウ」(国際芸術センター青森) 

クムサンギャラリー(ソウル)、プロジェクトスペース・サルビアダバン(同)、Chen Ling Hui Contemporary Space(北京、台北)などで個展多数。 

韓国国立現代美術館(ソウル)、フランシス・J・グリーンバーガー・コレクション(ニューヨーク)、大田美術館(韓国・大田市)、十和田市現代美術館などに作品が収蔵されている。