グループ展「感じる風景」
河合美和・中比良真子・加茂昂・田中加織
Group exhibition Absorbed in the scenery
Miwa Kawai, Masako Nakahira, Akira Kamo, Kaori Tanaka 
2015年9月8日~26日(正午~午後7時、26日午後5時まで、日・月曜休) 

4人のペインターが本人にとって感じられた風景を紹介します。たとえば河合美和が表しているのは、林の中で木漏れ日が差したときに感じるあいまいな空間です。離れたところに視点を固定し遠近法によって空間をとらえるのではなく、空間の中に身を置き「木と木の間」を描くことによって、林の中の奥行きを揺るがしています。 

中比良真子が表現するのは日常の中で印象に残った風景。スクリーンのような水面に映る景色を色鮮やかに描き、さほど気にとめなかった眺め(グレーの景色)と対比させています。印象の強弱を生むのは好みなのか経験なのか。中比良の作品は、風景とは恣意的に選び取られたものであることを物語っています。


一方、加茂昂は目の前の眺めとともに、肌や靴底からも伝わる緊張感を絵画で表しています。山などをモチーフにした作品のタイトルである「ゾーン」は人間の存在が危ぶまれる特異な環境。一歩間違えれば転落するかもしれないと感じたときの、感覚が研ぎ澄まされた状態などを主観と客観をないまぜに描いています。

田中加織は様式化した月、山、水の流れなどの要素を組み合わせ、河合とは対照的に箱庭的スケール感で風景をとらえました。山の形の平面的な把握やポップな色彩は、絵画という媒体によって自然がシンボル化されることも示しています。4人の作品からは、風景は客観的なものではなく主観的な解釈であることが浮かび上がってきます。 

画像は参考作品。上の左は河合美和「2014JUL.1」(2014年、油彩、カンバス、80.3×100センチ)、右は中比良真子「The world turns over No.12」(09年、油彩、カンバス、130×97センチ)。下の左は加茂昂「ゾーン9」(14年、油彩、カンバス、37.9×45.5センチ)、右は田中加織「月山水2014」(14年、油彩、カンバス、45×45センチ)。 

河合美和(かわい・みわ) 1960年兵庫県生まれ、84年京都市立芸術大美術学部卒。ギャラリー白(大阪市)、ギャラリー島田(神戸市)などで個展多数。 

中比良真子(なかひら・まさこ) 1979年滋賀県生まれ、2004年京都精華大大学院芸術研究科造形専攻修了。neutron kyoto(京都市)、neutron tokyo(東京)、DMO ARTS(大阪市)などで個展。 

加茂昂(かも・あきら) 1982年東京生まれ、2010年東京芸術大大学院美術研究科絵画専攻修了。13年island MEDIUM(東京)で個展「【絵画】と【生き延びる】」。13、15年VOCA賞出展。 

田中加織(たなか・かおり) 1982年京都府生まれ、2004年成安造形大洋画科卒。gallery near(京都市)、コンテンポラリーアートギャラリーZone(箕面市)、ギャラリーいのくま亭(京都市)などで個展。