グリッドではなくギンガム
森田麻祐子展 ”We’re in the tropics”
2012年5月7日~19日(日曜休)

フランスの女優、ブリジッド・バルドー(BB)が身に着けて流行したといわれるギンガムチェック。ファッション用語で白地に一色のシンプルな格子柄のことですが、1950年代にはドレスやブラウス、スカート、ビキニなどに盛んに使われたそうです。端正な正方形の連なり自体はモダニズムでありながら、服飾に用いられると、なぜか懐かしさを感じさせます。美術用語の「グリッド」でも「格子」でもなく、「ギンガム」であるゆえんでしょう。

画家の森田麻祐子はそのギンガムを自作に取り入れました(写真は”We’re in the tropics”=2012年、カンバスに油彩、50×65・2センチ)。ギンガムの水着を着ているのは、森田が生んだ少女キャラクターのモヤッキ。水着の部分に、三次元性のない赤と白のグリッドを抽象模様のように描いているのが特徴です。

森田に言わせれば、具象的なイメージと抽象模様をペイントでコラージュする手法は「ぺコラージュ」。のりで貼りつけるのではなく、描画で貼りつけるといった意味ですが、モヤッキが寝そべっているビーチのシートや水際に描いた植物のバードオブパラダイスなども「ぺコラージュ」の材料です。別の作品では、フランスの美術家、ダニエル・ビュランが得意とするストライプも、ギンガムとともにジャングルの風景に同居させました。

さて、立体的に見えた方がよいはずのモヤッキの身体に、三次元性をなくしたギンガム(グリッド)を添えるのはトリッキーです。では、その絵を動かすとどう見えるのか。今回、森田は液晶テレビのディスプレーを使い、絵画とアニメを組み合わせた作品も出品しました。本を手にしたモヤッキがビーチを転げ回ります。
(月曜~金曜午前11時~午後7時、土曜正午~午後5時)