過去の展覧会

LOCO展

LOCO Tachibana Gallery
LOCO展
LOCO Exhibition
2012年11月19日~12月1日(日曜休)

2000年代前半、関西を中心に、かぶりものの「コップ人間」(写真左、Photo: RAW)のパフォーマンスで脚光を浴びた紙コップアーティスト、LOCO。05年に結婚した後は2度の出産もあって、パフォーマンスの活動を控えていますが、近年は茨城県を拠点に絵画を制作し、主にイタリアで発表しています。

LOCOの絵画は明るく、かわいらしい作風。自画像なのか、大きな目のスポーティーな「女の子」の絵を多く描いています。一方で、静かな祈りを捧げるような作品も。主人公は少女のようにも、少女の心を持つ大人のようにも見えます。写真右は「願い」(2011年、53×45.5センチ、カンバスにアクリル)。

美大の受験に失敗し、嶋本昭三のアトリエを訪ねたとき、ひたむきさと天真爛漫(らんまん)さに感心した嶋本が「弟子になってください」と、頭を下げたというのは有名なエピソード(「弟子にしてください」と言ったというバージョンもあり)。その天真爛漫さは絵画にも表われています。
(月~金曜正午~午後7時、土曜正午~午後5時)
*11月23日も正午から午後7時まで営業します。

LOCO(ロコ) 1976年茨城県生まれ。99年「コップ人間」のパフォーマンスを開始。2000年兵庫県立近代美術館「アート・ナウ」 に出品、03年ベネチアビエンナーレEXTRA50に招待。06~11年Spazio Arte dei Moriギャラリー(ベネチア)で個展。美術館、アートフェスティバルでのパフォーマンス、テレビ出演多数。

HANARARTに依美、西岡恵子、福田遼子


今秋開かれる「奈良・町家の芸術祭 HANARART2012」に、依美(インスタレーション)、西岡恵子(絵画)、福田遼子(絵画)が参加します。大和郡山市にある大正時代の洋風建築、杉山小児科医院(登録有形文化財、写真)で、11月1日から11日まで作品を展示します。「HANARART2012」全体の会期は10月27日から11月11日まで。五條新町、郡山城下町など6つの地域で町家などを会場に、現代アートの展覧会やイベントを繰り広げます。

宮本佳明「福島第一原発神社」を福島で展示


今年3月に「福島第一原発神社」の展覧会を開いた建築家、宮本佳明が今秋の「会津・漆の芸術祭2012」(福島県教育庁、福島県立博物館など主催)に同作品を出品します。会期は10月29日から11月10日まで、会場は喜多方市の大和川酒蔵北方風土館(写真)です。「福島第一原発神社」は、事故を起こした福島第一原発の原子炉建屋にアイコンとなる和風屋根を載せ神社として祀(まつ)るプロジェクト。3月の橘画廊での展示と同じく、200分の1の模型を展示します。

稲田早紀展

Saki Inada Tachibana Gallery
Saki Inada Exhibition
2012年10月15日~27日(日曜休)

「本物のようにみずみずしい」とか「香りが漂ってきそうだ」という言葉は、花の絵をほめるときの常套句ですが、稲田早紀の作品にはあてはまりません。みずみずしくはないし、花の香りも感じられないからです。では、シーレのヒマワリのように枯れているかというと、そうでもありません。おそらく稲田の作品を形容するには別の言葉がいるのでしょう。

切り落とされた赤紫のアジサイの絵(写真、2012年、130.3×162.1センチ、カンバスにアクリル、墨)。最近の彼女の作品としては、これでも鮮やかな方かもしれません。墨による黒い線はカンバスを焼いていたころの灰の色の「名残」なのだそうです。絵画を説明する文脈で「焼いていた」という言葉が出てくると違和感がありますが、学生時代の彼女はトラウマのせいで本当に絵を燃やしていたのだといいます。

アジサイばかりでなく、チューリップにせよシロツメクサにせよ、稲田が描く花からは肉感的な要素がそぎ落とされています。求めているのは、花がしおれる寸前の美しさなのでしょう。切り落とされているから死んでいるのか、切り落とされているけれど生きているのか。そうした境界線上の表現こそ彼女が苦心している点です。

本人いわく、目標はミイラのロザリア・ロンバルド。イタリアのパレルモにあり、世界で最も美しいといわれるミイラです。黄色いリボンをつけた少女のミイラは眠っているようにも見えます。このミイラを理想として生と死のはざまをとらえようとしている稲田にとって、「本物のようにみずみずしい」花を描かないことは、はすに構えたアイロニカルな表現などではないのです。それはむしろ本物にはない美を模索する積極性の表われだといえます。100号のアジサイの絵2点を含め18点を出品します。
(月~金曜正午~午後7時、土曜正午~午後5時)

稲田早紀(いなだ・さき) 1988年大阪生まれ、2011年京都市立芸術大卒。2010年GALLERYはねうさぎ(京都市)で個展、11年art gallery そら(大阪市)で個展、12年アートフォーラムJARFO(京都市)で個展。

寺村サチコ個展「今夜は女の子」

Sachiko Teramura Tachibana Gallery 寺村サチコ 橘画廊
Sachiko Teramura Exhibition
2012年9月26日~10月6日(日曜休)

鮮やかな色、意味ありげな曲線。繊維造形作家、寺村サチコがつくる立体は、官能の象徴として咲き誇る花のようです(写真は過去の作品の部分、シルクオーガンジー、絞り染め・型染め)。リアルな花ではなく、植物でさえないのかもしれませんが、甘い香りを漂わせそうな見かけは動物を誘う花の性質を感じさせます。

兵庫県出身の寺村が東京の大学に入ったとき、きらびやかに着飾った女の子たちが花かクラゲに見えたそうです。昆虫を誘い、蜜を吸わせる代わりに花粉を運ばせる花か、海の中をふわふわと漂い魚を捕食するクラゲか。外見は魅力的だけれど腹黒い。そんな、少し意地悪な見方から、上品なシルクオーガンジーを素材に立体をつくってきました。

もちろん野生の花は人の目を楽しませるために咲いているわけではありません。それは植物が子孫を残すために必要な手段です。人間も植物と同じ生き物であるとすれば、意地悪な見方をしたというよりも、善も悪もない自然界の秩序を示しただけと言ったほうがよいのかもしれません。

植物が昆虫を誘う戦略はさまざまです。チョウでもハエでも選り好みをせずに招き入れる花もあれば、特定の昆虫にだけ蜜を吸わせる花もあります。それぞれが生存に有利なように進化し、自らの形を変えてきました。植物の多様化にならい、彼女も次々と新しい造形美を生み出しています。
(月~金曜正午~午後7時、土曜正午~午後5時)

寺村サチコ(てらむら・さちこ) 1986年兵庫県生まれ。2010年多摩美術大卒、神々への捧げものアートコンペ優秀賞。11年赤穂市立図書館ギャラリーで個展、前橋アートコンペライブ・グランプリ、12年多摩美術大大学院修了。

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