福田遼子展

福田遼子 幸せとその先 橘画廊
Ryoko Fukuta exhibition
2013年3月4日~23日(日曜休)

一瞬たりとも同じところにとどまらず流れ続ける――。福田遼子の抽象画にはそんなイメージが託されています。右へ左へ、手前へ奥へと視線を揺さぶる色彩の戯れと柔らかな印象を与える繊細な曲線。それらがあいまった画面は、本来、色も形も大きさもないはずの生命の存在を表しています。

福田は現実の何かの形を解体して抽象化するのではなく、S字の曲線や不規則なうねりを丹念に描き込むことによって抽象的な形をつくり出していきます。色よりも先に来るのが線。洗剤が溶けてできる泡なども観察し下絵を描きますが、本番の制作では8割を感覚に頼っています。

ピンクや青など、後から与える色は明るく清らか。それらが「形」の境界を越えて画面全体に響き合い、幻想的な雰囲気を生み出します。イメージのよりどころは「生まれる前に体験した胎内を漂う感覚や体液に浸る感覚」。いのちの根源という不思議なものへの意識も強く持っているようです。

「幸せとその先」「祈りと底」といった謎めいたタイトルも福田ならではです。たとえば「祈りと底」であれば、無事に生まれてきてほしいという祈りが込められています。162.1×260.6センチ(100号2枚分)の大作を含め油彩画、水彩画合わせて20点を出品します。写真は「幸せとその先」(2013年、カンバスに油彩、72.7×91センチ)。
(月~金曜正午~午後7時、土曜正午~午後5時、3月20日も営業)

福田遼子(ふくた・りょうこ) 1987年徳島県生まれ、2011年鳴門教育大大学院美術コース修了。11年Gallery銀座フォレスト(東京)、GALLERY SUZUKI(京都市)で個展。12年橘画廊、Gallery銀座フォレストで個展。同年国展新人賞受賞。