山地咲希展 花迷路

Saki Yamaji 花束を持って Tachibana Gallery 山地咲希 橘画廊
Saki Yamaji exhibition
2015年10月20日~31日(正午~午後7時、31日午後5時まで、日・月曜休)

若手ペインターの山地咲希は植物からインスピレーションを得て生み出した形や色を基に、芽吹くような感覚や空間が揺らめくような感覚を絵画で表しました。独ロマン主義の画家ルンゲが「人間はあらゆる花々や植物の中に自らの本性および情熱だけをみている」と言った通り、山地もまた植物の中に人間(自身)の感情をみています。 

身の回りにある草花はもちろん、山奥で見つけた巨木や植物園で見かけた珍しい植物。山地はそれらにひそむ魅惑的なラインを丹念に観察しました。空に向かって伸びる草には未来を、傷ついた草には過酷な生存競争にさらされた過去を感じ取り、自然の神秘を彷彿とさせる有機的なフォルムへの共感を表現のベースに置いています。 

Saki Yamaji a bud Tachibana Gallery 橘画廊
しかし山地は形とラインを再現するのではなく、自らのイメージとラインを画面に持ち込みました。例えば「a bud」(下の画像、2015年、油彩、カンバス、22.7×15.8センチ)はツボミとして見ようとする人をはぐらかし、小さな子どもの足にも見える形を描きました。ツボミと子どもに共通する成長性に画家の思いを託しているかのようです。 

技法の面では、色が重なる部分と透ける部分を組み合わせ、空間の深みを表現しているのが特徴です。彩度を保った鮮やかな色彩はこれから何かが躍り出てきそうな期待のまじった予感を伝えています。新作十数点を出品予定。上の画像は「花束を持って」(同、同、38×45.5センチ)。 

山地咲希(やまじ・さき) 1986年香川県生まれ、2009年大阪成蹊大芸術学部卒。10年京展市長賞。
<主な個展>
07年高松市美術館市民ギャラリー、08年GALLERY SUZUKI(京都市)、13年ギャラリーメゾンダール(大阪市)、14年GALLERY SUZUKI
<アートフェア>
AHAF Hong Kong 2014、ART NAGOYA 2014