福元章子日本画展「夢から来て夢へ帰る」

Shoko Fukumoto Hoshi-ni-narumae Tachibana Gallery
Shoko Fukumoto exhibition From Dreams, Return to Dreams
2015年11月3日~28日(正午~午後7時、28日午後5時まで、日・月曜休)

魂を置き去りにして天に昇る肉体なのか、肉体を置き去りにして天に昇る魂なのか。日本画家、福元章子が描く「人物」は現実から引きはがされたかのように宙を舞っています。見えるのは、かつて私だった何か。福元はあいまいさを残しながら、崇高さの象徴性を練り上げています。 

「星に成る前」(上の画像、2015年、岩絵の具、膠、カンバス、152×115センチ)の女性がまとうのは舞台や儀式などの衣装ともいえそうな風変わりな服装です。頭部を飾る黄色い毛虫、全身を覆いつくすチョウの形の模様。穏やかで落ち着いた空気を醸す土色の背景も緊張をはらむ斜線も謎めいていて、見る人の想像を喚起します。 

私が生活する世界のかたわらには、普段は目に見えない別の世界が広がっているのではないか――。次元の異なる世界の設定と、2つの世界の思いがけない交錯は文学の定番のテーマですが、それに似た空想を視覚化する福元の関心は物語よりも感覚美に向かっています。その感覚美をもたらすのは複雑なニュアンスの色彩です。 

今回の個展のタイトルは「夢から来て夢へ帰る」。夢とは覚醒しているときの願望であり、眠りがもたらす幻覚でもあり。作品の解釈は鑑賞者にゆだねられていますが、はかなさに通ずる言葉はある種の虚無を暗示しているようです。新作を中心に十数点を出品予定。下の画像は「星ノ流ルル」(14年、岩絵の具、膠、カンバス、80.3×116.7センチ)。

Shoko Fukumoto The washing away of the starTachibana Gallery
福元章子(ふくもと・しょうこ) 1984年大阪生まれ、2008年京都市立芸術大美術学部卒、10年京都市立芸術大大学院美術研究科絵画専攻日本画修了。
<主な個展>
2011年 「月夜の散歩」(和泉市久保惣記念美術館)
2012年 T-BOX(東京)
2013年 「春の日」DELLA-PACE(神戸市)
      「麗しき逃避行」T-BOX
2014年 「春待ち」DELLA-PACE
      「毛虫と女」橘画廊(大阪市)
      「春待ち」T-BOX
2015年 「花頭巾」T-BOX