過去の展覧会

河合真里展 images

河合真里 Mari Kawai standing 橘画廊 Tachibana Gallery
Mari Kawai exhibition images
2017年2月25日~3月18日(正午~午後7時、日・月・火曜休)

河合真里は、はっきりとした色と形を用いながら、平面上にしかない架空の存在を描き出すペインターです。一つの画面に一つだけ(複数であっても少数)描かれるモチーフは、人型の埴輪のようなものであったり、動物の骨かネコの手のようなものであったり、なじみがありそうでないものばかり。両義的でときにはキッチュ(まがいもの気取り)にも見えるイメージは揺れ動きつつ存在感を発揮しています。

上に画像を掲げた「standing」(2016年、油彩、カンバス、91 x 72.7 cm)を描いたのは、中国古代の副葬品である俑(よう)を見て形の面白さにひかれたのがきっかけでした。両手を胸の前で組んだ人形のようにも、花瓶のようにも見える「それ」は正体不明でありながら、貴族的な雰囲気を漂わせています。 

こうしたイメージはどこから来るのでしょうか。河合の絵画は、対象を見てそっくりに描いたものでも頭の中のイメージを写しとったものでもありません。既存のイメージを借りたうえで、描いては見て、見ては描いてを繰り返す中で生み出されたものです。そのような制作には、手作業を前提としている点で、絵画の本質である「媒介性」が際立っています。 

そして、多くの作品に共通する、ゆるやかな曲線の親しみやすさや静的な平面性にも特徴があります。衝動に走らず、陶酔せず、時間をかけて最後は理性的にまとめ上げる。そんな個性とスタンスによって生まれた作品には目を奪うようなインパクトはなくとも、じわじわと効いてくる刺激にあふれています。新作の油彩画約10点を出品予定。下の画像は「tub」(2016年、油彩、カンバス、53 x 65.2 cm)。 

河合真里 Mari Kawai tub 橘画廊 Tachibana Gallery
河合真里(かわい・まり) 1987年兵庫県生まれ、2012年武蔵野美術大大学院造形研究科美術専攻修了。同年トーキョーワンダーウォール準大賞を受賞。
<主な展覧会>
2016年 個展「naming」(数寄和/東京)
2015年 個展「project N59」(東京オペラシティアートギャラリー)
2014年 グループ展「膜をほどこす」(橘画廊/大阪)
2013年 個展「TWS-Emerging210 層の記憶」(トーキョーワンダーサイト本郷)
            個展「トーキョーワンダーウォール都庁2012 ある光景」(東京都庁)
<アートフェア>
ART in PARK HOTEL TOKYO 2017、ULTRA2014、AHAF SEOUL 2014

アートフェア、AiPHT2017に出展

千葉麻十佳「dappled sunlight」 橘画廊
橘画廊は2017年2月に汐留のパークホテル東京で開かれるアートフェア、ART in PARK HOTEL TOKYO 2017に出展します。アーティストは千葉麻十佳、浅野綾花、河合真里。部屋番号は2704号です。上の画像は千葉麻十佳「dappled sunlight」(2016年、ラムダプリント、25.4 x 30.5 cm)、下の画像は河合真里「flower (yellow)」(同、油彩、カンバス、33.4 x 33.4 cm)。

日時: 2月10日(金)正午~午後7時(プレビュー)
         2月11日(土)午前11~午後7時(一般公開)
         2月12日(日)午前11~午後7時(一般公開)
会場:パークホテル東京26、27階 東京都港区東新橋1-7-1 汐留メディアタワー
入場料:1,500円

千葉麻十佳プロフィール

浅野綾花プロフィール

河合真里 Mari Kawai flower (yellow) 橘画廊
河合真里(かわい・まり) 1987年兵庫県生まれ、2012年武蔵野美術大大学院造形研究科美術専攻修了。同年トーキョーワンダーウォール準大賞を受賞。
<主な展覧会>
2016年 個展「naming」(数寄和/東京)
2015年 個展「project N59」(東京オペラシティアートギャラリー)
2014年 グループ展「膜をほどこす」(橘画廊/大阪)
2013年 個展「TWS-Emerging210 層の記憶」(トーキョーワンダーサイト本郷)
              個展「トーキョーワンダーウォール都庁2012 ある光景」(東京都庁)

Tachibana Gallery will participate in the art fair, ART in PARK HOTEL TOKYO 2017.

Date: February 10 Fri. (VIP preview) 
        February 11 Sat., 12 Sun. (Public Open) 
Venue: Park Hotel Tokyo 26th, 27th floor
          Shiodome Media Tower 1-7-1 Higashi Shimbashi, Minato-ku Tokyo 
Room Number: 2704 
Artists: Madoka Chiba, Ayaka Asano, Mari Kawai
Admission: ¥1,500/ 1 day pass
For details: AiPHT website

AiPHT特別展に浅野綾花

浅野綾花 橘画廊 Ayaka Asano Tachibana Gallery
ART in PARK HOTEL TOKYO 2017(2月10~12日)に出展予定のアーティストを紹介する特別展「PREVIEW AiPHT(プレビュー・アイファット)」に浅野綾花が参加します。会期は2月6~12日(会期中無休、午前11時半~午後10時)、会場はパークホテル東京25階アートラウンジ。ほかに篠原有司男、松谷武判ら9人が出展します。入場無料。

浅野はエッチングとコラージュによる作品(正確には、支持体の紙に紙片などを載せてプレスした作品)を出品します。画像は「イエロードリーミング」(2015年、エッチング、コラージュ、72.9 x 103 cm)。

柴田謙司展 Locked in the Ether ver.2.0

Kenji Shibata 08:12:16 Tachibana Gallery 柴田謙司 橘画廊
Kenji Shibata exhibition “Locked in the Ether ver.2.0”
2016年12月7日~24日(正午~午後7時、日・月・火曜休)

色とりどりの花を氷に閉じ込めて撮影し、幻想的で華やかな作品を生み出す写真家の柴田謙司。前回の個展「Locked in the Ether」から丸2年がたった今回の個展では、同じシリーズでありながら、従来はなかった破壊のイメージをすべり込ませ、新しい表現に挑んでいます。それは「矛盾や対立」「時間」といったシリーズのテーマを強化する試みです。

ダリアやトルコギキョウなど、氷の中の花をさまざまな角度から撮影したのは前回と同じ。花が氷に閉じ込められている「ありさま」は時間が止まった永遠の現在の比喩であり、氷が解けていくさまは時間の経過の比喩です。氷の中の花たちは生命力さえ感じさせますが、ひとたび氷が解け始めると、氷の拘束から解き放たれる代わりに、刻々と朽ちていきます。

柴田の作品には、そうした現在の比喩と時間の経過の比喩が同居していて、ドラマチックな緊張感に魅力があります。しかし今回はそれだけではありません。柴田は解け始めた氷をハンマーなどでたたいたり、熱湯をかけたりして、天変地異をもたらすかのように氷の世界に破壊的な力を加えました。氷の表面に走るひび割れはカタストロフを予感させます。

kenji Shibata 04:42:35 Tachibana Gallery 柴田謙司 橘画廊
花たちは天空の裂け目を見て解放への期待に酔いしれるのか、その先に待ち受ける破局を感じて不安にさいなまれるのか。一見、擬人化した花の運命をもてあそんでいるかのようですが、柴田の意識は違う次元へと向いていました。ひび割れた氷であれ、クリアな氷であれ、融解し流れ去れば、すべてがフラット化し、一つのサイクルが終わる。それは次の始まりであるという意識です。上の画像は「08:12:16」(2016年、ラムダプリント、72.1 x 96.4 cm)、下の画像は「04:42:35」(2016年、ラムダプリント、78.8 x 59 cm)。

柴田謙司(しばた・けんじ) 1964年大阪生まれ。93年大阪ビジュアル・コミュニケーション専門学校(現日本写真映像専門学校)卒、97年London College of Printing and Distributive Trades 修了。99年柴田謙司写真事務所を設立。2008年個展「私を知るもの、私を呼ぶもの」(Port Gallery T/大阪)、14年柴田謙司展「Locked in the ether」(橘画廊)。

山地咲希展 CACTUS

山地咲希 hope 2016 橘画廊
Saki Yamaji exhibition “CACTUS”
2016年11月12日~26日(正午~午後7時、月・火曜休)

植物からインスピレーションを得て制作する若手ペインター、山地咲希。今回の個展では、異形の植物ともいえるサボテンをメーンの画題に選びました。サボテンから連想する荒々しい質感を取り入れながら、具象と抽象の間を行く作風で生彩に富む画面を作り上げています。

山地がサボテンに興味を持ったきっかけは、そのたたずまいが人間のシルエットとだぶって見えたことでした。人間に優しく微笑みかけるとか、人間を見つめ返すとかいうことはなく、だれのことも気にしていないかのように無表情。その得体のしれない植物の、たった一つの形が人に似ていたというだけで、にわかに親近感がわいてきました。

冬、色があせて枯れたと思っていたら春に芽を出したのを目の当たりにし、ハッとしたこともありました。山地にとって、こうした主観的な体験は創作上の重要な手がかりですが、いったん制作に入ると、内面をストレートに投影することはしませんでした。むしろサボテンを周到に対象化したうえで、魅惑的なイメージを探り出そうとしています。

イメージをつくるのは色と形とマチエール(絵肌)。皮膜の層をつくるように透明絵具を塗り重ね、ときどき不透明絵具をはさんではまた透明絵具を重ねていく。そうした手作業の中から見えてくるものをつかみとっています。サボテンを題材にした新作を中心に油彩画13点を出品。画像は「hope」(2016年、油彩、カンバス、72.7 x 72.7 cm)。

山地咲希(やまじ・さき) 1986年香川県生まれ、2009年大阪成蹊大芸術学部卒。10年京展市長賞。
<主な個展>
2016年ギャラリーヒルゲート(京都市)、15年橘画廊「花迷路」(大阪市)、14年GALLERY SUZUKI(京都市)、13年ギャラリーメゾンダール(大阪市)、08年GALLERY SUZUKI、07年高松市美術館市民ギャラリー
<アートフェア>
ART NAGOYA 2014、AHAF Hong Kong 2014

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