長島義明写真展 24の物語

Yoshiaki Nagashima Tachibana Gallery
2011年9月26日~10月15日(日曜休)

「正直言って風景はおもろない」。半世紀も写真を撮り続けている長島義明は、一番面白いのはスナップ(日常出会った光景の早撮り)だと言います。カレンダーにも使える青空や花畑の写真と違い、街中のスナップは「商売にならない」かもしれません。しかし毎年のように海外へ出かけて行き、スナップを撮っています。

同じスナップでも、なぜ海外なのでしょうか。長島は20歳でデザイン事務所をやめた後、日本中を歩き回ったものの満足できず、台湾、香港へ。そのとき言葉の通じないところで妙に感覚が研ぎ澄まされ、「おれは外国へ行きたかったんだ」と気づきました。以来、カメラを手に100カ国以上を訪ねています。「知らない場所へ行き、人と出会うのが好き」。だから世界中を回り街を歩くこと自体が目的なのだそうです。

ここに掲げた「ハーレムの夏」は1990年の作品です。長島がニューヨークのハーレムを歩いていると、大粒のシャワーに出合いました。ストリートで跳ねる子どもたち。長島は濡れながらシャッターを切りました。黒澤映画に出てくるような「たたきつける雨」、光る路面。右側の少年の両足は地面から浮いています。見知らぬ人の生活の場に足を踏み入れる好奇心と偶然の出会いがこの傑作を生みました。

この展覧会では、長島が40数年にわたって世界各地で撮影したモノクロームのスナップ24点を出品します。「ハーレムの夏」は初公開です。

長島義明(ながしま・よしあき)
1942年 大阪生まれ
1963年 日本写真専門学校卒業
1966年 海外撮影旅行を開始、現在に至るまで100カ国以上で撮影
1984年 東京のペンタックスフォーラムで初の個展 「人間の旅」
1987年 文化庁の芸術家在外研修員としてパリに滞在
1993年 キューバでカストロ議長を撮影
1995年 写真集『阪神大震災』(バーズアイ出版)
2001年 写真展「平和だった頃のアフガニスタン」を全国30か所で開く
2011年 34年ぶりにアフガニスタンを訪問